
こんにちは!ことパパです。
今回は建設業に特化した会計・経理の知識を学ぶ「建設業経理士検定」の1級について、実際に受験した体験をもとに詳しく解説します!
本記事では次の疑問をすっきり解決できる記事になっていますので、ぜひ最後まで読んでください。
1.資格概要
1-1|建設業経理士検定とは?
建設業経理士検定は、建設業に特化した会計・経理の知識を証明する資格試験です。
建設業では、工事進行基準や工事完了基準など、一般的な経理とは異なるスキルが求められます。
そのため、専門知識を身につけるのに最適な資格です。
1-2|試験概要
項目 | 内容 |
---|---|
試験の主催 | 一般財団法人建設業振興基金 |
受験資格 | 誰でも受験可能! |
試験実施時期 | 年2回(通常3月と9月) |
合格基準・合格率 | 各科目100点満点中70点以上で合格 |
試験時間 | 1級:1科目90分 2級:2時間 3級:2時間 4級:90分 |
1-3|試験区分・合格率
建設業経理士検定は、以下の4つの級に分かれています。
級 | 内容 | 合格率 | 難易度 |
---|---|---|---|
1級 | 原価計算、財務諸表、財務分析 | 財務諸表約20~40% 財務分析約30~40% 原価計算約20% | 建設業経理の専門家レベル |
2級 | 建設業の簿記、原価計算、会社会計 | 約30~40% | 経理担当者に推奨 |
3級 | 建設業の簿記、原価計算 | 約60~70% | 経理初心者向け |
4級 | 簿記のしくみ | 約80% | 簿記の基礎知識を身につける |
1-4|建設業経理士検定1級の特徴
✔ 3科目合格が必須!
✔ 各科目に理論問題あり!
✔ 新規論点(財務分析)がある!
1-4-1|3科目合格が必須!
財務諸表、原価計算、財務分析の3科目すべてに合格する必要があります。
1科目ずつでも、3科目同時でも大丈夫です。
科目合格の有効期間は合格通知書に記載する日から5年間有効です。
1-4-2|各科目に理論問題あり!
全科目で理論問題が出題されます。
科目 | 第1問 | 第2問 | 第3問 | 第4問 | 第5問 |
---|---|---|---|---|---|
財務諸表 | 論述20点 | 空欄補充14点 | 正誤判定16点 | 個別計算14点 | 精算表36点 |
原価計算 | 論述20点 | 空欄補充・正誤10点 | 個別計算14点 | 個別計算16点 | 完工原価報告書40点 |
財務分析 | 論述20点 | 空欄補充15点 | 計算20点 | 個別計算15点 | 計算20点、 空欄補充10点 |
1-4-3|新規論点(財務分析)がある!
財務分析は日商簿記では勉強しない範囲になり、新規論点になります。
ただ、財務分析は暗記物で3科目の中で一番難易度は低いので、心配する必要はありません!
約70の公式を覚えるのはもちろん、その比率が大小どちらのほうが良いのか、それぞれの比率が収益性・安全性・活動性・生産性・成長性のどれに分類されるか等を覚える必要があります。
1-5|資格取得のメリット
✔ キャリアアップ
✔ 経営審査事項(経審)での加点
✔ 専門知識の習得
経理担当者や管理職としての評価が高まります。
1級・2級取得者後登録することで経審での評価が向上し、企業の入札参加資格に有利になります。
業務に特化した会計知識を学ぶことで、実務に活かせます。
建設業界で経理職を目指すなら、取得しておいて損はない資格です!
2.おすすめ勉強法!
すでにかなり前に合格済みなので、自分が改めて受験し直すならどうするか、考えました!
2-1|独学で合格したい場合
2-1-1|おすすめ教材
TAC スッキリわかるシリーズ
TAC 合格するための過去問題集
2-1-2|スケジュール

建設業経理士1級の勉強時間を次のとおり設定しました。
✔ 財務諸表:3ヶ月(90日)×1.5時間/日=135時間
✔ 原価計算:2ヶ月(60日)×1.5時間/日= 90時間
✔ 財務分析:2ヶ月(60日)×1.5時間/日= 90時間
✔ 合 計:7ヶ月(210日)×1.5時間/日=315時間
建設業経理士2級 or 商業簿記2級の知識がある方を前提に考えてます。
2-1-3|スケジュールのポイント解説

まずスッキリわかるシリーズのテキストに目を通して、全体概要を把握しましょう。
進捗の目安としては、テキストは2回転はしたいので次の表以上のページ数をこなしていきましょう。
財務諸表

原価計算

財務分析

まずは、サラっと読んで過去問を解き、わからない部分をテキストで確認するというスタイルをおすすめします。
財務諸表については、問題範囲が広く過去問だけではカバーできない部分もあるため、テキストを読みすすめるのと同時に問題集もこなしていくのがおすすめです。
他の科目については、過去問からの学習で十分合格可能です。
不安な方はスケジュールが若干伸びますが、問題集をやってから過去問でも構いません。
財務諸表の問題集の進捗の目安としては、問題集を2回転したいので次の表以上のページ数をこなしていきましょう。

時間がなければ財務諸表も過去問からやり始めても構いません。
テキストでのインプットが完了したら合格するための過去問題集に取り掛かりましょう。
こちらには、過去問10回分が収録されていますので、こちらを3回転させましょう。
最初は全く点数が取れないと思いますが、繰り返していくうちに問題形式を覚えていき、合格点が取れるようになるはずです。
2-2|講座を受講して合格を目指す方
しっかり理解したうえで合格したい方は、TAC等の講座を受講してじっくり学ぶのがオススメです。
私はこの方法で合格しました。
2-2-1|講座の種類
TACの場合、次のWeb通信講座があります。最新情報や詳細はTACの公式HPでご確認ください。
講座名 | 学習期間目安 | 金額 | 使用教材 |
---|---|---|---|
1級総合本科生 | 5~6ヵ月 全44回 | 140,000円 | ・合格テキスト&トレーニング 財務諸表 Ver.5.0 財務分析 Ver.2.0 原価計算 Ver.2.0 ・合格するための過去問題集 財務諸表 財務分析 原価計算 |
1級財務諸表本科生 | 3~4ヵ月 全16回 | 54,000円 | ・合格テキスト&トレーニング 財務諸表 Ver.5.0 ・合格するための過去問題集 財務諸表 |
1級財務分析本科生 | 3~4ヵ月 全14回 | 49,000円 | ・合格テキスト&トレーニング 財務分析 Ver.2.0 ・合格するための過去問題集 財務分析 |
1級原価計算本科生 | 3~4ヵ月 全14回 | 49,000円 | ・合格テキスト&トレーニング 原価計算 Ver.2.0 ・合格するための過去問題集 原価計算 |
1級的中答練セット | 1~2ヵ月 全9回 | 42,000円 | 的中答練 |
※Web通信のほうがおすすめなので、DVD通信ではなくWeb通信の金額を載せています。
2-2-2|メリット・デメリット
✔ 基礎的な知識についても丁寧に解説
✔ 試験に出るポイントをしっかりカバー
✔ 最新試験に対応
✔ スキマ時間に学習可能
✔ テキストがWebで見られる
✔ 理論の対策の解説あり
✔ お金がかかる
✔ 講義の時間が長いため、インプットに時間を取られすぎないように注意が必要
合格するだけであれば独学で十分可能なので、時間をとってしっかり理解したい方向けの方法です。
2-3|試験問題の配点・目標得点
各問で何点取ればよいかざっくり案を作成しました。
最終的に何点取ればいいのか意識して、勉強にメリハリをつけましょう。
2-3-1|財務諸表

第1問は財務諸表の理論に関する論述問題が出題されます。出題範囲が広いので部分点狙いで5~10点獲得を狙いましょう。
第2問、第3問は財務諸表の理論全般についての空欄補充、正誤問題です。こちらも出題範囲が広いので6割~7割を目安にしました。
第4問はJV会計、リース会計、資産除去債務等の論点から1つ選ばれて、その計算問題が出題され、第5問は仕訳ができるか、否かで勝負が決まる内容です。
どちらも満点を狙いたいですが、9割前後を目標にしました。
2-3-2|原価計算

第1問は原価計算の理論に関する論述問題が出題されます。出題範囲が広いので部分点狙いで5~10点獲得を狙いましょう。
第2問は原価計算の理論全般についての空欄補充、正誤問題です。こちらも出題範囲が広いので6割を目安にしました。
第3問、第4問、第5問の計算問題は、過去問を解けば満点が狙える内容なので、8割~9割を目標にしました。
2-3-3|財務分析

第1問は財務分析の理論に関する論述問題が出題されます。出題範囲が広いので部分点狙いで5~10点獲得を狙いましょう。
第2問、第5問の問2は財務分析の理論全般についての空欄補充、正誤問題です。こちらも出題範囲が広いので6割、7割を目安にしました。
第3問、第4問、第5問の問1の計算問題は、とにかく比率の公式を覚えれば満点を狙える内容なので、9割を目標にしました。
2-4|論述は問題集を解いて感覚を覚える!
税理士試験のように丸暗記は不要です。部分点もあるので、覚えられていなくても文章を作ってある程度論理的に説明できれば点数はもらえます。
過去問・問題集を模写して理論の感覚を覚えましょう!
私が受験したときも全く分からない問題が出たのですが、なんとか文章をひねり出したら合格できました。
ただし、あくまで計算重視で、理論問題に時間を取られすぎないように勉強時間の配分に気をつけましょう。
3.受験体験記
3-1|受験のきっかけ
経理に配属され、日商簿記2級を取得したので、更に知識を深めるために受験を決意しました!
でも正直、「合格すれば社内で名前が公表されるし、自慢できるかも!」という下心もありました(笑)
3-2|勉強期間
約4か月
日商簿記2級の試験が終わった直後からスタート!
3-3|試験の難易度
⭐⭐⭐⭐☆☆ やや難しい
問題の難易度はそこまで高くないですが、範囲の広さと3科目合格が必要な点がを考慮して「やや難しい」にしました。
3-4|勉強方法
TAC等の資格講座の受講しました。
独学ではモチベーション維持や専門的な内容の理解に難しさを感じることが多いため、TACのDVD通学講座を利用しました。
メリット
✔ 講義が分かりやすい!
✔ 理解を深めながら勉強できる!
デメリット
✔ 予約して通学するのが大変…
✔ 個室ブースだと集中しにくい…
私のように好きな時間・場所で勉強したい人はWeb通信の方がオススメです!
→TACのHP見たら、DVD通学講座もうないのですね。。おすすめも何もなかったです(笑)
あなたはどのタイプ?おすすめの勉強場所を4タイプ別に徹底解説!
3-5|受験後の感想
受験結果は、ギリギリでしたが三科目一発合格でした!
簿記2級と比較すると、出題される論点についてはかなり広くなっていますが、複雑な問題やひっかけが出題されるわけではないので、真面目に過去問・問題集さえ繰り返せば合格できると思います。
特に原価計算は、建設業ではほぼ個別原価計算しか使いませんので、総合原価計算が苦手な人にとっては、むしろ簿記2級よりも楽なんじゃないかと思いました。
4.まとめ
今回は、建設業経理士検定1級の資格概要、おすすめ勉強法、受験体験記を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
最後に総まとめをします。建設業経理士検定1級はこんな資格です!
【取得がオススメな人】
✔ 建設業界で経理職を目指す人!
✔ 日商簿記2級合格後のステップアップを考えている人!
✔ 経審での加点が必要な会社に所属している人
【勉強方法】
✔ 勉強期間:
財務諸表:3ヶ月、180時間
原価計算:2ヶ月、120時間
財務分析:2ヶ月、120時間
合計:7ヶ月、420時間
✔ 過去問を3回転する
✔ 計算問題で高得点を狙う

これから受験を考えている方の参考になれば嬉しいです!
それではまた!ことパパでした。
コメント